押し当てる

【おしあてる】動詞

同義語

同品詞の類義語

押し付ける
押し込む
押し寄せる文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

熱く絡み合う文芸的
激しくぶつける

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

嵐のような文芸的
獣のよう

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

激しく

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

激突させる

体言的言い換え

用言を体言に変換

熱情の衝突文芸的
肉体の融合文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

荒々しく
激情のままに文芸的
本能の赴くまま

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形が移るのはどちらの側か

幼い子どもが、決まった一枚の布や毛布の端を頬に押し当てたまま眠るという光景は、育児の現場で長く見られてきました。ウィニコットは一九五〇年代の論文でこれを移行対象と呼び、それが「私」でも「私でない」でもない中間の領域に属すると論じています。注目すべきなのは、その布が特定の一枚でなければならないことです。同じ素材の新しい布では代わりになりません。洗って匂いが落ちただけで拒まれることもあります。子どもが求めているのは布の性質ではありません——これまで繰り返し押し当ててきた履歴のほうです。

この動詞は、目的語のほかに到達点を必ず要求します。「XをYに押し当てる」の形が基本で、ニ格を省くと文が宙に浮きます。よく似た形をした「押し付ける」が、意見を押し付ける、責任を押し付ける、のようにニ格なしでも成立するのとは対照的です。後項の「当てる」が接触の相手を必須の項として抱えているため、この語は単独では動作を完結できません。誰かに、あるいは何かに向かってしか使えない動詞だということです。

接触の質にも制限があります。押し当てられたものは、押し潰されるのでも塗り込められるのでもなく、形を保ったまま面と面で接しています。粘土を押し付ければ形が崩れますが、この語を選んだ時点で、書き手は対象が形を失わないことを前提にしています。だから聴診器や湿布や刃の腹には馴染み、溶けるものや崩れるものには馴染みません。

印章は、この語の性質を最も分かりやすく示す道具です。印面を紙や封蝋に押し当てると、形が移ります。移動は常に一方向に起こります——印面から蝋へ、決して蝋から印面へではありません。接触そのものは相互的で、印のほうにも紙の抵抗は伝わっているのに、痕跡だけが片側に残ります。精神分析が転移と呼んできた事態にも、似た非対称があると言えるでしょう。過去の関係の型が現在の相手の上で反復されるとき、押し当てている側はたいてい、自分が何を押し当てているのかを知りません。

ウィニコットは、移行対象がやがてどうなるかについても書き残しています。捨てられるのでも取り上げられるのでもなく、次第に意味を失っていくのだと述べました。悼まれることもなく、関心の広がりのなかへ薄れていきます。接触が断ち切られるのではなく、接触が可能なまま重みだけが抜けていく過程です。触覚の生理にも似た現象が知られていて、皮膚にかかり続ける一定の圧は、受容器の順応によって次第に報告されなくなります。強く押し当てた指先の圧覚が、姿勢を変えないまま薄れていくのはそのためです。持続する接触は、続いていること自体によって、感じられる度合いを手放していきます。

時間の扱いも、この語を特徴づけています。「押し当てたまま」「押し当て続ける」という言い方が自然に立つとおり、この動詞は瞬間よりも持続と相性がよいのです。触れてすぐ離れる動作であれば、別の語が選ばれます。移行対象が一度きりの接触では成立せず、何百回もの反復を経てはじめて特別なものになるように、この動詞が指しているのは、接触が続いているあいだに何かが移っていく過程のほうなのです。

文: hakadoru.ai 編集部

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