秘部

【ひぶ】名詞

同義語

同品詞の類義語

淫らな谷間文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

女の花園文芸的

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

熱帯雨林の奥地のように文芸的

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

淫靡に文芸的

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

魅惑する

体言的言い換え

用言を体言に変換

桃源郷文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

官能の源泉文芸的

関連語を探す

区画の名に、取り扱いが混じるとき

頭部があり、頸部があり、胸部があり、腹部があり、骨盤部がある。解剖学が身体を分けるときの語は、判で押したように「部」で終わります。どの語も位置しか告げず、価値の判断を含みません。腹部という語は腹という場所を指すだけで、その場所を大切に扱えとも隠せとも言っていません。近代の医学が翻訳を通じて整えたこの語彙体系は、身体を平坦な地図として書き取ることに徹しており、その徹底ぶりが用語としての使い勝手を支えています。

同じ末尾を持ちながら、秘部だけが体系の外を向いています。この語が告げているのは位置ではなく、取り扱いの指定です。地形の記号だけが並ぶ凡例に、通行の可否を書いた一行が紛れ込んでいるような具合になっています。しかも本人にとっての見えなさで言えば、背中や後頭部のほうがずっと徹底して見えません。それでも背部が秘部と呼ばれることはありません。この語が測っているのは、他者の前でどう扱うべきかという規範のほうです。

同じ部位を指す語として陰部という言い方も定着していますが、こちらが選んだ字は日の当たらない側を意味します。光の届き方で言う陰部と、伏せておくべき度合いで言う秘部——どちらも位置の語彙のなかへ、位置ではないものを混ぜ込んでいます。中立に組まれた体系ほど、そこに混ざった一語は目立ちます。身体を平坦な地図として書こうとした語彙が、結局は平坦でいられなかった痕跡が、この二語には残っています。

哲学は、その規範の起点をまなざしのなかに探してきました。二十世紀半ばの現象学は、鍵穴を覗き込んでいた者が背後の足音に気づく場面を使って、この転換を描いています。それまで見る主体でしかなかった者が、一瞬で見られる対象の側へ移されます。注目すべきなのは、この経験が現実の視線を必要としない点です。足音が思い違いであっても、恥はすでに起きています。予期されたまなざしだけで十分なのであり、そこで働いているのは、目撃されうるという構造のほうです。

そこには、自分の身体をめぐる原理的な不足も関わっています。自分の身体は、自分に対してけっして全体としては与えられません。視点は常に一つで、鏡を立てても増える視点は借り物です。自分の姿がどう見えているかという情報は、本人にとってつねに他者経由でしか手に入らない性質のものです。秘部と呼ばれてきた区画は、その借り物の像のなかでも、他者への依存の度合いがとりわけ高い部分に名を与えたことになります。名づけの側が、見えなさではなく預けている量を測っていたわけです。

末尾の一字の来歴も、この読みを支えます。「部」は古代には物部や忌部や服部のように、職掌ごとに編成された人の集団を指す語でした。区画の名が、もとは集団の名だったということです。身体を部に分けて呼ぶ言い方には、初めから複数の人間が織り込まれていたことになります。秘部という語が落ち着かない位置にあるのは、中立な地誌の体系に規範が一語だけ紛れ込んでいるからではなく、その体系がもともと他者の存在を前提に組まれていたからでしょう。

文: hakadoru.ai 編集部

エディタで直接置換して執筆を加速

SaaS エディタではシソーラスの結果をワンクリックで本文に反映できます

無料で始める →