襞

【ひだ】名詞

同義語

同品詞の類義語

しわcolloquial
たゆ文芸的
波紋文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

肉の襞colloquial
秘所のしわcolloquial

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

波打つように文芸的
しなやかに曲がりくねるように文芸的

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

波状に文芸的

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

波打つ文芸的
うねるcolloquial

体言的言い換え

用言を体言に変換

波紋のごとく文芸的
しなやかな曲線文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

うねりcolloquial
乱れcolloquial
波に揺れるように文芸的

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折りたたむと面積だけが増える

大脳の皮質は、頭蓋という限られた容積の内側で、折りたたまれることによって広い面を確保しています。溝と回の凹凸は、大きな布を小さな箱に収めるときの解法とほとんど同じ理屈です。厚みを増やさずに面積だけを増やすこと——この語が名指しているのは、その操作にほかなりません。折られた側から見れば、失われるものは何もなく、ただ全体が一度に見渡せなくなります。

字の作りにも、同じ含みが残っています。この一字は衣偏に辟を添えた形で、辟を音符に持つ字の一群には壁、避、癖、璧が並びます。辟にはさける、かたよるといった含みがあり、その系列のなかに癖の字が置かれているのは示唆的です。性癖、潔癖、盗癖——記述精神医学が人の傾きを名指すときに用いてきた漢語の多くが、この一字を抱えています。布の折り目と、人の偏りが、同じ音符を共有しているわけです。字書の系列が偶然そう並べただけだとしても、この隣接は書き手にとって使いでのあるものです。

日本語でこの語が比喩に立つとき、後ろに来る語はほとんど決まっています。心のそれ、感情のそれ、と数えられるほどに限られています。皺とは働きがはっきり違います。皺は意図せず生じる変形で、老いや疲れ、畳んだまま放置した時間と結びつきますが、こちらは規則的に反復する構造で、袴にも能装束にも意図して作られます。心にこれがあるという言い方が非難にならないのは、そのためでしょう。乱れているという意味ではなく、規則的に折り重なっていて外からは全体が見えないという意味になります。見えないという点は同じでも、隠しているのとは働きが違います。折りは、隠す意図を持たないまま視野を制限します。

解剖の記述でも、この語は同じ役割を負っています。胃の内壁にも、腸の粘膜にも、限られた容れ物の内側で接する面を稼ぐための折りがあり、いずれもこの一語で呼ばれます。器官が違い、大きさの桁が揃わなくても、採られている解法は変わりません。人の身体は、余地が足りなくなるたびに同じ手を使ってきたことになります。

哲学者ハヴィ・カレルは、病によって身体、価値、世界との出会い方がどう変わるかを、一人称の経験から調べています。病の経験を隠れた原因の表面にすぎないと扱わず、身体の習慣や可能性がどう折り畳み直されたかをたどるのです。折りを開いて内側の本体を暴くのではなく、どこで視野が遮られ、どの動作が届かなくなり、何が新たに目へ入ったかを記述する。表面をなぞる作業に見えますが、面積を増やしているのは折りそのものですから、表面をたどることは内容をたどることと矛盾しません。

正常と異常の境目が引かれるのも、折りの多さのところではありません。人の内側が細かく折り重なっていること自体は、誰にとっても常態です。臨床の記述が異変として拾うのは、折りが固まって開かなくなった状態や、開いたまま畳めなくなった状態のほうでした。皮質の凹凸が発生の途中でうまく形づくられない例が知られているように、折りは多ければよいというものでも、少なければ単純だというものでもありません。この語が心について使われるとき、そこで測られているのは深さではなく、畳んだり開いたりできる余地のほうだと言えます。

文: hakadoru.ai 編集部

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