絡める

【からめる】動詞

同義語

同品詞の類義語

縺れ合う文芸的
交じる
融合する文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

愛を交わす文芸的
睦み合う文芸的

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

蛇のように文芸的
渦のように文芸的

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

貪るように

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

愛撫する文芸的

体言的言い換え

用言を体言に変換

官能の舞文芸的
交わり文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

激しく
淫らに文芸的
狂おしく文芸的

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同時に来たものは結ばれる——他動詞が届かなくなる場所

茹でた麺にソースをまわしかける動作を、日本語は「混ぜる」でも「和える」でもなく「絡める」と言います。三つの語は同じ場面を指しているようで、扱っている物理が違います。混ぜるは二つの相を均一にする操作で、和えるは軽く触れさせる操作、絡めるは片方の表面にもう片方を薄く行き渡らせる操作です。粘性と表面積の話であって、量の話ではありません。ソースを増やせばよく絡むわけではないことは、台所に立つ人なら知っています。

この動詞は、「絡む」を中心とする一群のひとつです。絡む、絡まる、絡める、絡げるの四語が並びます。自動詞が二つ、他動詞が二つあり、しかも意味の重心がそれぞれ違います。「絡む」は交錯そのものを指し、「絡まる」は交錯した結果の状態を指します。「絡める」は意志をもって交錯させることで、「絡げる」は括って留めることです。ここまで細かく枝分かれしている動詞群は多くありません。分岐しているということは、それだけ区別する必要のある場面が生活の側にあった、ということです。

用法の幅も特徴的です。指を絡める、タレを絡める、話を絡める、と並べてみると、身体接触・調理・論理という三つの層に、同じ形のまま渡っていくことがわかります。「〜に絡めて論じる」という言い方に至っては、物理的な接触の痕跡はほとんど残っていません。それでも比喩として無理がないのは、どの層でも起きていることが同じだからです。別々だったものが接触し、以後は一方を動かせば他方も動く。

神経の側にも、ほとんど同じ記述があります。一九四九年に刊行された『行動の機構』は、ある細胞が別の細胞の発火に繰り返し関与すると、両者のあいだの結合が強まるという原則を提出しました。同時に発火した細胞は結線される、と要約されることの多い考え方です。学習とは、別々の入力のあいだに通り道を作る作業である——この見方が、その後の可塑性研究の基礎になりました。和語のひとつが三つの層を無理なく渡れるのも、基礎になっている出来事の形が同じだからだと考えられます。

その後の研究は、この原則に時間の条件を書き加えました。二つの細胞のどちらが先に発火したかで、結合の変化は向きを変えます。送り手が受け手より数十ミリ秒だけ早ければ結合は強まり、順序が逆であれば弱まります。同時であれば足りず、わずかな先後が要るということです。絡めるという動作にも同じ含みがあります。二本の糸をただ並べても絡みません。片方がもう片方の周りを回るという順序があってはじめて、離れなくなります。台所に話を戻せば、タレを先に温めておくか、麺を上げてから回しかけるかで仕上がりが変わるのも、順序が結合の質を決めているからです。

味覚の統合も、同じ理屈で動いています。口のなかで生じる風味は、舌の受容器が拾う味と、喉の奥から鼻腔へ抜ける匂いが、ひとつにまとめられたものです。鼻をつまむと味が痩せて感じられるのは、この経路が塞がれるからです。タレをまとった一口が単なる塩味以上のものになるのも、香りの分子が同じ瞬間に届き、二つの入力が一つの知覚として束ねられるからです。そして厄介なことに、いったん結ばれた回路は、結んだときと同じ意志ではほどけません。他動詞として始まった動作が、途中から自動詞の領域へ移ってしまう——この語の用法の広さは、その移行をそのまま写し取ったものだと言えます。

文: hakadoru.ai 編集部

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