こじ開ける

【こじあける】動詞

同義語

同品詞の類義語

割り開く文芸的
押し広げる
開花させる文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

花弁を広げる文芸的
奥へ導く

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

花開くように文芸的
裂け目が現れるように

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

大胆に

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

探求する文芸的
侵入する

体言的言い換え

用言を体言に変換

裂け目
開花文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

秘所を暴く文芸的
奥底まで届ける

関連語を探す

壊して開ける語と、壊さずに数える技法

こじ開けるの「こじ」は、抉じるという動詞の連用形だと説明されます。同じ語幹を持つ語を並べると、この動詞が何をする語なのかが見えてきます。こじれる、こじつける——どちらも、本来の向きではない力を加えて無理に動かすという含みを共有しています。関係がこじれるのは、収まるべき角度から外れたまま押し続けた結果です。こじつけとは、繋がるはずのない二つを回して押し込む作業のことです。だから、こじ開けられた扉は開いた状態になりますが、その扉はもう本来の開き方をしません。防犯部品の性能試験には、破壊を伴うこの侵入手口が独立した区分として置かれていて、耐える時間が五分を超えるかどうかで等級が分かれます。開けるという結果は同じでも、機構を使ったのか壊したのかは、あとから見れば必ず判ります。

性を対象にした科学が二十世紀に直面したのは、この違いでした。測りたいものは、当人が進んでは口にしないことばかりです。面接でも質問紙でも、回答者は問われた瞬間から、答えを人に見せられる形へ整えはじめます。社会的に望ましいとされる方向へ回答が寄る傾向は、性行動の調査で特に強く出ることが知られています。加えて、調査に応じてくれる人がそもそも母集団を代表していないという問題もあります。強く問い詰めれば答えは出ますが、その答えは、問い詰められた事実のほうを記録してしまうのです。

この難所に対して、一九六〇年代半ばに変わった発想の技法が提案されました。回答者にコインを投げてもらい、表が出たときだけ本当のことを答え、裏が出たら質問と無関係に「はい」と答えてもらいます。調査者は結果だけを受け取り、誰がどちらの規則に従ったかは知りません。ある個人の回答から、その人の実際を復元することは原理的にできないのです。ところがコインの確率は既知ですから、集計の段階では母集団における比率を推定できます。開けずに中を数える——この学問がたどり着いた迂回路のひとつです。

分類のほうにも似た事情があります。調査票に並ぶ選択肢は、答えを集めるための器のはずですが、実際には答えの形そのものを先に決めてしまいます。どの区分に自分を置くかを問われた人は、区分の側に合わせて記憶を整えます。性科学の歴史がいくつもの分類を作っては手放してきたのは、器の目盛りが対象を作り変えることに、時間をかけて気づいたからでもあるのでしょう。同じ行為について尋ねていても、問いの言葉づかいをひとつ替えるだけで報告される頻度が動くことは、繰り返し確かめられてきました。数えているつもりで、実際には問いの形のほうを数えていることがあるのです。数えようとする手つきが対象を変形させるという事情は、この分野では他の分野より露骨に現れます。

この動詞の代表的な共起は、口です。口をこじ開ける、という言い方が最も多く、扉や蓋よりも先に思い浮かぶ人は少なくないはずです。書く場面でこの語を選ぶなら、出てきた言葉の内容よりも、開けられたあとの閉じ方——蝶番の軋み、掛け金の噛み合わせ——を書くほうが効きます。壊された機構は、次に閉じるときに必ず音を立てます。

文: hakadoru.ai 編集部

エディタで直接置換して執筆を加速

SaaS エディタではシソーラスの結果をワンクリックで本文に反映できます

無料で始める →