観音開き

【かんのんびらき】名詞句

同義語

同品詞の類義語

開脚文芸的
大股開き文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

両脚を大きく開く文芸的
脚を広げて文芸的

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

大股開きの姿勢文芸的
脚を大きく広げた様子文芸的

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

大胆に文芸的
開放的に文芸的

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

脚を拡げる文芸的
大股で開く文芸的

体言的言い換え

用言を体言に変換

股間の開示文芸的
脚の開放文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

露わな姿文芸的
大胆不敵な開脚文芸的
誘惑の体勢文芸的

関連語を探す

開ける日を決めるという設計

秘仏と呼ばれる像は、普段は厨子のなかに納められ、決められた年や日にだけ扉が開かれます。開帳と呼ばれるこの行事は、寺の側が期日を管理することで成り立っており、江戸では地方の寺が本尊を都市へ運んで行う出開帳が、興行の性格を帯びるまでになりました。参詣人の数も、寄進の額も、閉じておいた期間の長さに支えられています。見せないことが価値を保ち、開く日を制度が決めるという構造が、ここにはっきり出ています。

開帳の周期が三十三年と定められている例は、各地に見られます。この数は、観音が三十三の姿へ変じるという経典の説や、西国三十三所の札所の数に通じています。人の一生のうちに二度は立ち会えるかどうかという間隔で、扉が開く日が設計されているわけです。周期の長さが信仰の熱を保つ装置として働くことは、寺の側も早くから承知していました。開けない年月の長さが、開いた日の密度を決めます。

観音開きという語は、その厨子の扉の形式から来ています。中央で合わさった二枚の戸が左右へ対称に開く様式で、いまでは仏具の外へ広く出て、たんす、食器棚、冷蔵庫、乗用車の扉にまで使われます。か・ん・の・ん・び・ら・きと数えれば七拍で、日常語としてはかなり長い部類です。それでも縮まずに残ったのは、この形式を言い当てる代わりの語が育たなかったからでしょう。

建具として見ると、この様式は日本の家屋のなかでむしろ例外に属します。襖と障子を横へ滑らせる引き戸が住まいの主流で、蝶番で手前や向こうへ開く戸は、門、櫃、厨子といった限られた場所にしか使われませんでした。引き戸は隙間の幅を自由に選べますが、開き戸は開くか閉じるかに近い二つの状態しか取りません——中間の姿勢を許さない構造だからこそ、開いた瞬間そのものが出来事になります。

観音は観世音の略で、唐の皇帝の諱を避けて一字を落としたという説が古くから唱えられています。経典には、この菩薩が相手に応じて三十三の姿へ変じると説く章があり、姿かたちは一つに定まりません。日本では柔和な女性的な像として造られることが多いものの、経典の側で性別が固定されているわけではなく、造形の歴史のなかで揺れ続けてきた対象です。名前が扉の形式へ転用される段階では、こうした含みはほとんど脱落しました。残ったのは、戸が左右へ開くという一点だけです。

開帳という語がやがて賭場にも使われるようになったことは、この語彙の性質をよく示しています。禁じられた場を今日ここで開く、という宣言が、仏前と鉄火場で同じ動詞を共有しました。禁忌は、あるものを永久に封じることで作られるのではありません。開ける日と開けない日を分け、その境目を誰が握るかを決めることで作られます。近代に入ってからも、同じ設計は形を変えて続きました。区域を定めて営業を許し、時間と場所の外では禁ずるという仕組みが、法令の側から整えられます。禁止と許可を並べるのではなく、開く枠を先に決めてしまうやり方です。

四十八手の名にこの語が入っているのは、扉の動きを借りたからだけではないでしょう。開帳が背負ってきた時間の含み——期日を決め、それまでは閉じておくという段取りが、名前と一緒に運ばれています。常時開いている厨子の像は、秘仏とは呼ばれません。同じ理屈で、この名が指しているのは開いた状態そのものではなく、閉じている期間があって初めて成り立つ開き方のほうです。名づけた側は、扉の様式よりも、その前提のほうを見ていたように思えます。

文: hakadoru.ai 編集部

エディタで直接置換して執筆を加速

SaaS エディタではシソーラスの結果をワンクリックで本文に反映できます

無料で始める →