蜜壺

【みつつぼ】名詞

同義語

同品詞の類義語

淫裂文芸的
桃源郷文芸的
蜜の花園文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

甘い泉
官能の聖域文芸的

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

桃の花びらのように文芸的
蜜の滴る

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

淫らに

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

蜜を吸う

体言的言い換え

用言を体言に変換

桃源文芸的
官能の泉

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

甘美な
官能の
蜜の海

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容れて、抱えて、返す

考古学の報告書は、掘り出された焼き物を器種で分けます。甕、壺、鉢、高坏といった名前が並びます。壺に分類されるのは、口が狭く胴の張った器で、貯蔵と運搬に使われました。口が狭いのは中身を守るためですが、同じ形は、中身を取り出しにくくもします。守ることと出しにくいことは、この器では同じ一つの設計から出てきます。字のほうも同じ形を写しており、蓋のある容器を象ったものと説明されます。「壷」はこれを崩した字形で、印刷でも人名でも長く使われてきました。読みも意味も変わらないのに見出しが二つ立つという事態は、日本語の表記ではしばしば起こります。

精神分析の系譜のなかで、この器の形をそのまま理論の中心に据えた人がいます。ビオンは、乳児がひとりでは抱えきれない状態を養育者がいったん受け取り、扱える形に変えて返す働きを、容器と内容物という対で書きました。重要なのは、容器が中身を素通しにしないという点です。そのまま返せば何も変わらず、閉じきってしまえば何も戻りません。狭い口を通して受け取り、内側でしばらく留め、形を変えてから返す——壺の設計と、この理論の要点は、奇妙なほどよく重なります。

不在の時間を持ちこたえる力についても、この系譜は器の比喩を使ってきました。目の前にいない相手の像を内側に保っておけるようになること——対象関係を論じる語彙では、外にある相手を取り込んで手元へ置く作業として記述されます。取り込まれた像は原物の複製ではありません。受け取った側の都合で角が取れ、色が変わり、都合のよい形に整えられます。それでも、整えられた像があるおかげで、相手が席を外している時間を待てるようになります。器そのものは中身ではありませんが、中身がどう扱われうるかを決めています。

日本語で壺が作る熟語を並べると、この含みはさらにはっきりします。骨壺、茶壺、毒壺、壺焼き。時間をかけて置くもの、失われたものを収めるもの、外へ漏らしてはならないものが、この器の名のもとに集まっています。台所での使い方も同じ方向を向いています。味噌を仕込み、梅を漬け、酒を寝かせるのに用いられてきたのは、狭い口が外気との交換を細く保ち、内側で時間をかけた変化が進むからです。入れたものと出てくるものが違っているという事態を、この器は前提にしています。喪の作業と呼ばれてきた過程も、失われたものを内側に引き取り、扱える形になるまで抱え続けるという記述で書かれてきました。蜜壺という合成は、その系列に甘い中身を差し込む操作です。そこで移動するのは、中身の側の性質だけではありません。守る、出しにくい、長く置くという器の側の含みが、まるごと語に付いてきます。

だから表記の選択は、装飾の問題ではなくなります。同じ場面を袋や器の語で書けば、それは容量の話になります。壺の語を選んだ場合には、時間の話が始まります。狭い口の向こうで何が起きているかは書かれないまま、その内側で何かが変質しているという含みだけが残る——分析の理論が容器の比喩を手放さなかったのも、おそらく同じ理由からでしょう。ただし比喩の向きには注意が要ります。理論の側では、器は抱える主体のほうを指していました。身体の一部にこの語を当てるとき、抱える側と抱えられる側は静かに入れ替わっています。

文: hakadoru.ai 編集部

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