淫猥

【いんわい】形容動詞

同義語

同品詞の類義語

卑猥な文芸的
淫靡な文芸的
猥褻な文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

エロティックなcolloquial
いやらしいcolloquial

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

快楽の女神のような文芸的
官能の化身みたいに文芸的
欲望の炎ほどの文芸的

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

ねっとりとcolloquial
激しく

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

蕩ける文芸的
疼く文芸的

体言的言い換え

用言を体言に変換

官能の渦文芸的
欲望の炎文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

色っぽくcolloquial
淫らに文芸的
あられもなく文芸的

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数える前に分けねばならない——雑多さを名指す二字

戦後の最高裁が示した判断によれば、わいせつな文書とは、いたずらに性欲を興奮または刺激させ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するものを指すとされました。三つの条件が並んでいますが、どれも測定の手続きを持ちません。誰が普通人なのか、どの程度から「いたずらに」なのかは、条文の側では決まらず、事件ごとに判断されます。判断の主体が事件ごとに置き直されるため、同じ表現が時代によって別の評価を受けることも起こります。分類の言葉でありながら、分類の基準を内側に持たない定義だということです。

性を学問の対象として区切ろうとする試みは、まず類型を立てることから始まりました。クラフト=エビングが一八八六年に刊行した書物は、症例を並べて名を与えるという手つきで書かれており、版を重ねるごとに項目が増えていきます。名を与えれば区分ができ、区分ができれば数えられる——順序としてはそうなるはずでした。ところが増えた項目の多くは、のちの版や後継の分類でまとめ直され、あるいは消えます。区分そのものが定まらないまま、数えるための枠だけが先に配られていたことになります。

区分の作り方にも、固有の困難がついて回りました。項目を細かくすれば、隣り合う型の境目に収まらない例がかえって増えます。粗くまとめれば、別々の事情が同じ名の下へ押し込まれます。どちらへ倒しても、名づけられなかった残りが必ず出ます。しかもその残りは、次の版で新しい項目を立てる根拠になり、立てられた項目はまた別の残りを生みます——分類という作業には、終わりが用意されていません。名を与える手つきそのものが、名の外側を作り続けるからです。

区切り方の側が動いた例も、記録に残っています。十九世紀の分類で独立した型として並べられていた項目の多くは、二十世紀のうちに統合され、あるいは一覧から外されました。観察される事実が新たに見つかったからではなく、何を問題と呼ぶかという枠組みのほうが組み替えられた結果です。枠が動いたあと、以前に集められた数字は比較の役に立たなくなります。数えた結果は残っても、数えていた区分がもう存在しないからです。使われている「猥」の字は、こうした事情を先取りしているように見えます。けものへんを持つこの字は、群れて騒ぐさま、雑多に入り混じるさまを表す系列に属し、猥雑という熟語には混じり合いのほうが色濃く残っています。整理されていない、区分けができていない。字が担っているのはその状態であって、性はそこに含まれうる一要素にすぎません。

この二字が今も生き延びているのは、混じり合いそのものを名指す語が他に乏しいからでしょう。雑多さを扱う語がたいてい貶す語として残るのは、区分けを拒む状態が、区分けを仕事にする側から見れば常に不都合だからだと思われます。法はそれを取り締まりの対象として扱い、科学は分類の対象として扱ってきましたが、どちらの手つきも、対象をいったん整えてからでなければ働きません。整えた瞬間に、語が指していた雑多さは失われます。書き手にできるのは逆の作業です。区分けのつかない状態を、区分けのつかないまま画面に置くこと——それを名指せる語として、この二字はまだ使えます。

文: hakadoru.ai 編集部

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