責める

【せめる】動詞

同義語

同品詞の類義語

攻める
弄るcolloquial
愛撫する文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

責めに責めるcolloquial
快楽の渦に巻き込む文芸的

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

嵐のような文芸的
情熱の炎で焼く文芸的

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

熱烈に
貪欲に

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

求める
快楽を与える文芸的

体言的言い換え

用言を体言に変換

官能の儀式文芸的
欲望の交わり文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

激しく
貪り合うcolloquial
官能の戯れ文芸的

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取り立てられる身体——「責」が負債から来たこと

古代メソポタミアの法典には、負債を返せなくなった者が家族を債務労働に差し出した場合の年限規定が置かれていました。三年働けば四年目には解き放たれる、という定めがあったと伝えられます。貨幣で払えない差額は、時間と身体で払われました。返済の単位が金属から人間へ切り替わるこの手続きは、ひとつの文明に限られたものではなく、古代の債務法制が各地で繰り返し用意してきた仕組みです。粘土板に刻まれた条文が守ろうとしたのは債務者の生活というより、取り立ての秩序のほうでした。身体は、最後に残る担保だったのです。

漢字の「責」は、その切り替えの記憶を字形に残しています。上部の「朿」はとげ、下部の「貝」は財貨を表し、合わせて取り立てを意味したと説明されます。「債」という字は、この「責」に人偏を加えて後から作られたものです。借金の側が先にあり、咎めるという意味は後から乗りました——順序が逆だと感じられるかもしれませんが、字の歴史はそう並んでいます。日本語の動詞「せめる」にこの字が宛てられたとき、語には取り立てという古い層が一枚敷き込まれたことになります。

現代の表記では「攻める」が同じ読みで隣に立ちます。攻は打ち込む動作を指し、責は取り立てを指す——この差は語感の綾ではなく、字の来歴の差です。もっと目を引くのは共起のふるまいのほうで、この動詞が本来目的語に取るのは、人か、過失か、責任の所在でした。ところが性愛を描く文章では、身体の部位が目的語の位置に置かれます。責任を負いようのないものが、取り立ての構文にはめ込まれる。転用が成り立ってしまうのは、動詞が「相手には払うべきものがある」という前提を、意味の底に沈めたまま持ち歩いているからです。

名詞形の「責め」は、日本の法制度のなかで長く身体的強制を指してきました。江戸期の裁判では、自白を引き出すための手続きが段階に分けて定められ、その名称に「責」の字が用いられています。ここで取り立てられているのは金銭ではなく、供述という無形のものです。身体に力を加えて言葉を出させる発想は、返せない額の代わりに労働を差し出させる発想と、同じ形をしています。差し出す側に選択肢がないこと、支払いが身体でしかありえないこと——手続きの外見が変わっても、この二点は動きません。

古代の身体観には、責めることが何かを生むという想定が広く共有されていました。断食や不眠を課す行は各地の宗教に見られ、消耗そのものが差し出された分として数えられます——痛みが計量の単位に立てられているわけです。スパルタのアルテミス神殿では少年たちを鞭打つ儀礼が行われ、ローマ期には見物人を集める行事になっていたと伝えられます。責め苦は罰であると同時に、神へ差し出される供物でもありました。取り立てる相手が人ではなく神であるとき、支払いはほとんど必ず身体で行われます。

せ・め・るという三拍の語が日本語のなかでこれだけ重い場所を占めているのは、罰と交換というふたつの働きを一語で抱え込んでいるからでしょう。負債は金銭とは限りません。返せないものを抱えた相手を前にしたとき、この動詞は静かに古い顔を出します。

文: hakadoru.ai 編集部

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