項

【うなじ】名詞

同義語

同品詞の類義語

首筋文芸的
後頸文芸的
背の頂文芸的

類義句

同品詞の慣用的言い換え

首の付け根
首筋の窪み

直喩変換

「Xのような」「Xみたいに」形式の直喩

絹のような
陶器のような
彫刻のような

副詞的言い換え

情態副詞・形容詞の副詞的変換

滑らかに
優雅に

動詞的言い換え

形容詞・副詞を動詞句に変換

撫でる
愛撫する

体言的言い換え

用言を体言に変換

首の線文芸的
官能の曲線文芸的

婉曲・強調変換

ニュアンスの増減(婉曲化・強調化)

甘美な
魅惑的な
官能の象徴文芸的

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塗り残された筋——省略が輪郭をつくる

芸妓の化粧では、襟足に地肌を残して白粉を塗ります。二本足、三本足と呼ばれる残し方があり、白く均された面のなかに、素肌の筋が下から立ち上がってくる——塗らないことによって、塗った部分の輪郭が生まれる作法です。省略が形を作るという原理は絵画の余白と同じものですが、ここでは画面ではなく、生きて動く身体の上でそれが実行されます。白粉の境目は、うつむいたり振り向いたりするたびに歪み、そのつど別の線として見えます。

うなじを漢字で書くとき、項のほか頸や首の字も当てられてきました。項の訓に対応する動詞が、うなだれるです。項垂れると書くこの語は、部位が折れ曲がる姿をそのまま動詞にしたものです。身体部位の名がそのまま姿勢の名になっている例は、それほど多くありません。この一点で、うなじは静止した部位というより、角度を含んだ部位として言語化されてきたと言えます。絵に描かれるときも、この部位は角度とともにしか現れません。

髪を結い上げる習慣は、この面を常時露出させました。浮世絵の美人画には、顔を描かずに後ろ姿だけで人物を成立させる構図があり、そこでは襟の抜き具合と、白粉に縁取られた肌の明るさが表情の代わりを務めます。見えない顔を見る側に想像させるために、画面はもっともよく見える一点だけを残しました。視線の設計としては、情報を減らすことで解像度を上げるやり方です。彫刻の展示でも、立像を斜め後方から見る動線は珍しくありません。回り込ませる配置は、鑑賞者に自分の足で角度を選ばせます。

菱川師宣の見返り美人図は、この構図の考え方を一枚に凝縮しています。人物は歩みかけた姿勢のまま上体をひねり、顔をこちらへ向けます。振り返るという動作が選ばれているために、正面の顔と、後ろ姿の襟から続く線とが、同じ画面に同時に置かれます。どちらか一方では成立しない絵です。衣紋を抜くという着付けの手つきは、この線を何寸ぶん見せるかを、着る側があらかじめ決められる仕組みでもありました。露出の量が数値として調節できるという点で、これは化粧よりも設計に近い作業です。

写真の時代になると、この角度は照明の問題に置き換わりました。この面は、光を強く跳ね返す平らな板ではありません。髪の影と肩の影に挟まれた、細く狭い明部として現れます。硬い光を当てれば白く飛び、柔らかい光では周囲に沈みます。写真家がここを撮ろうとするとき、扱っているのは対象の形ではなく、二つの影の間隔のほうです。春画の摺師が襟の内側にわずかな暈しを入れたのも、同じ間隔を紙の上で作るためだったと考えられます。

項の字は、頁を含んでいます。頁は人の頭部をかたどった部首で、頭部に関わる字がここに集まります。同じ字が今日では、項目や事項のように、区切られた一つの単位も表します。首の後ろという具体から、並べて数えられる単位という抽象へどう移ったのかは説明が試みられている段階ですが、いずれにせよ、この一字は身体のもっとも見えにくい面と、整理のための最小単位という、遠く離れた二つを引き受けてきました。絵のなかで担わされていた役割も、それに近いものです。省略された顔の代わりに置かれ、画面全体をたった一点で数えさせる単位として働いていました。

文: hakadoru.ai 編集部

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